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安全で快適な入浴介助のポイント:初心者でも安心の完全ガイド

 要介護者や高齢者、障害を持つ方が安全かつ快適に入浴できるようにサポートをすることは重要な役割です。今回は右片麻痺の方の入浴方法についてサポートを行うポイントを挙げます。右片麻痺は右側の運動機能が低下しているため、特に安全性や自立支援を考慮したサポートが重要です。

入浴の準備

環境の確認

  • 温度管理:部屋とお湯の温度を確認します。適温は浴室が25~28度、お湯は38~40度が一般的です。寒い時期は温度差が重要になり、できれば脱衣場も浴室と同じ25度付近の方がいいでしょう。
  • 滑り止めの設置:浴室や脱衣所に滑りマットを敷きます。滑ることによる転倒を防ぎます。
  • 器具の準備:シャワーチェアや手すり、洗体スポンジなど必要な道具を用意し、必要な場所に設置します。

利用者の状態確認

  • 体調を確認します。血圧、脈拍、体温を測定し、医師から指示が出ている場合はそれに従い、入浴ができるかを判断します。
  • 気分や疲労度を考慮してください。無理のない入浴が安全の一歩です。
  • 身体を保護するための保護具が必要な場合は装着します。介助で必要な介助補助具が必要な場合は装着します。
  • ☆緊急時の対応についてもあらかじめ考えておくとさらに安全性が増します。

脱衣の補助

  • 衣服の脱ぎ方
  • 健側(左側)の腕や足から脱ぐようにします。
  • 麻痺側(右側)は力が弱く関節が動きにくい場合があるため、ゆっくりと無理なくサポートします。
  • プライバシーの配慮
  • タオルやバスタオルを使用し、露出を最小限にします。

浴室への移動

移動補助具の使用

  • 車いすや歩行器を使用する場合は滑りやすい床に注意して移動します。自宅内など狭い時には介助者の介助する位置を確保して実施します。シャワーチェアが車いすのように動くタイプもあるので介助の方法を事前に検討します。
  • シャワーチェアや浴槽リフトを活用し安全に座ります。
  • シャワーチェアへの移乗の際は、健側下肢を支点にして体を安全に回します。介助が必要な場合は転倒に注意して必要な援助をします。

姿勢の保持

  • シャワーチェアに座る際、麻痺側の手足が安定するように足の位置を設置します。
  • 座った姿勢が崩れていないか確認します。
  • 洗体の際に前かがみになるときに前方に転がらないように注意します。また、足を組んだ時に側方に倒れないように注意します。

体の洗浄

  • 利用者が自分で洗える部分を尊重し、自立支援を促します。左手(健側)で洗えるところは自分で行っていただきます。
  • 手が届きにくい背中や足元は介助者が優しく洗います。健側の上肢が洗えないことが多いので、道具や方法の指導がない場合は洗う援助が必要です。
  • 洗浄中や洗い流す際、お湯が目や耳に入らないように注意します。

洗髪の補助

  • 左手(健側)で洗える部分は洗髪を行います。頭を傾けるなどを工夫することで全体を洗えることがあります。

麻痺側のケア

  • 皮膚の感覚が低下している場合は火傷や関節の痛み、皮膚の過度な擦過に注意します。

浴槽への移動

浴槽に入るとき

  • 立って浴槽に入る場合は、左(健側)下肢から浴槽をまたぎます。次に麻痺側下肢をサポートしながら浴槽に入ります。
  • 手すりを利用する場合はしっかり手すりをつかみます。
  • 右(麻痺側)下肢をサポートする際は、決められている方法がある場合はそれに従い介助します。右(麻痺側)の浴槽のまたぎは、前方持ち上げや、後方跳ね上げの方法があります。
  • トランスファーボードなど機器を利用する場合は、安全に腰を掛け、安定した状態で、浴槽に足を入れる援助をします。立って行うときと同じく左(健側)下肢から入るります。この方法が望ましいですが、設置する場所によっては麻痺側から入ることもあります。浴槽リフトを利用するときには、機器の扱いに注意して行います。
  • 浴槽に座るときは、手すりがあればそこにつかまってしゃがみます。介助が必要な場合は勢いがつかないようにゆっくり座るようにします。

入浴中のサポート

  • 「暑くないですか?」「痛くないですか」など声掛けしながら確認し、コミュニケーションを取ります。
  • 入浴時間を短くしすぎず、利用者がリラックスできる時間を確保します。
  • 入浴中にマッサージや関節可動域練習を行うことで関節可動域制限を予防することが期待できます。
  • 注意:長湯することで、筋力低下が生じ立てなくなることがあります。浴槽から立ち上がった時に血圧低下による立ちくらみが起こる場合があるため、状態に注意して介助します。

浴槽から出るとき

  • 立ち上がる際は滑り止めに足がついていることを確認し、手すりがあればつかまっていただきます。体が前方に移動し、下肢が踏ん張れる状態になったら立ち上がりのタイミングと一緒に立ち上がれる介助をします。
  • 安定してから浴槽から出る準備をします。
  • 立って移動する場合は手すりにつかまり、右(麻痺側)の下肢から浴槽をまたぎます。次に左(健側)下肢が浴槽をまたいで浴槽から出ます。
  • トランスファーボードなど座って行う場合は入るときの逆の順番で行い浴槽から出ます。

入浴後の介助

体を拭く

  • 椅子に座っていただければ安全に援助できますが。立位が安定している場合は立って行うことも可能です。
  • 左(健側)を優先的に拭き、次に右(麻痺側)を拭きます。
  • 指や足指の間を拭き、乾かします。感染症を防ぐ効果が期待できます。
  • 処置が必要な場合はここで行います。

更衣の援助

  • 切るときは右(麻痺側)から袖やズボンを通し、健側はそのあとに通します。
  • 背中で服が絡まっているときは援助します。

体調管理

  • 入浴後に血圧や脈拍を測定し、状態を確認します。
  • 必要に応じて水分補給をします。

自立支援のポイント

右片麻痺の方の自立を促すことも重要です。工夫することも有効なことがあります。

  • 簡単に扱える道具の提供
    • 左手(健側)で操作可能な長い柄のスポンジやブラシを使用します。
  • 浴槽につかりながらリハビリ
    • 入浴中に右(麻痺側)を動かします。関節可動域練習だけでなく、浮力を利用して自力で動かすことも行います。
  • 声掛けとタイミング
    • 立ち上がるときにタイミングを合わせると軽い力で立てるときがあります。
    • 自分で行えていること、新たにできるようになったところを「うまくできましたね」と励ましの言葉をかけることで、本人に自信がつきます。

注意点

  • 右(麻痺側)の感覚鈍麻がある場合は注意します。痛みや熱さが感じにくくなっているため、皮膚トラブルやのぼせなどに注意します。
  • 入浴に関する医師の指示がある場合にはそれに従います。バイタルチェック、感染症、処置の方法など詳しく書かれている場合はそれに準じてください。
  • 急がせずに、本人が無理なく行えるペースに合わせます。

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