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心理学者が推奨するBDI-Ⅱを使ったうつ病チェック方法

うつ,精神

 BDI-Ⅱ(Beck Depression Inventory-Ⅱ)は、アーロン・ベック博士によって開発された、うつ病の評価を目的とした自己報告式の質問票です。このツールは、うつ病の程度を評価するために広く使用されており、精神医学、臨床心理学、医療及びカウンセリングの分野で利用されます。

一番下にBDI-Ⅱの評価用紙のPDFファイルを用意しています。ご活用ください

BDI-Ⅱの構成

 BDI-Ⅱは全21項目からなり、それぞれの項目がうつ病に関連する特定の症状や態度を評価します。各項目は0~3のスケールで評価され、高いスコアほど重度の症状を示します。全体のスコアは、これらの個別のスコアを合計して得られ、うつ病の重症度を示します。

使用方法

 BDI-Ⅱは主にスクリーニングツールとして使用され、うつ病の診断、治療の進行状況のモニタリング、治療効果の評価に役立てられています。このテストは、患者自身が自分の症状をどのように認識しているかを理解するのにも有用です。

注意点

 BDI-Ⅱは非常に有用なツールですが、単独での使用による完全な診断には適していません。専門家による臨床的評価と組み合わせて使用することが推奨されます。また、文化的背景や個人の特性がスコアに影響を与える可能性があるため、これらの影響も考慮する必要があります。

 BDI-Ⅱの結果のみで判断せず、症状が気になる場合は専門医のいる医療機関の受診が必要です。

BDI-Ⅱ の内容

 この検査は、「うつ」の程度を自己評価するものです。下に書いてある21組の文章を読
んで、この2,3日のあなたの気分にもっともよく当てはまる答えの番号に○
をつけてく
ださい。選ぶ前に、必ずそれぞれの組のすべての文章を読むようにしてください。

第1問

   0 悲しい感じはしない

   1 悲しい感じがする

   2 いつも悲しく感じて、追い払えない

   3 耐えられないほど悲しくて、不安である

第2問

   0 将来をとくに悲観するようなことはない

   1 将来を悲観してしまう

   2 将来に何の期待もないように感じる

   3 将来は絶望的で、良くなることはないと感じる

第3問

   0 自分が失敗者だとは思わない

   1 私は他の人よりも失敗してきたと思う

   2 これまで失敗の連続だったと思う

   3 私は人間としてまったくの失敗者だと思う

第4問

   0 これまでと同じように満足感を感じる

   1 以前のようにものごとを楽しむことができない

   2 本当に満足できるようなことはなくなった

   3 何もかも不満足で、うんざりする

第5問

   0 とくに罪悪感を感じるようなことはない

   1 罪悪感を感じることが多い

   2 ほとんどの時間、罪悪感に悩まされる

   3 いつも罪悪感を抱いている

第6問

   0 自分がなにかの罰を受けているとは思わない

   1 自分は罰を受けるかもしれないと思う

   2 自分は罰を受けるにちがいないと思う

   3 自分は、今、罰を受けていると思う

第7問

   0 自分に失望してはいない

   1 自分に失望している

   2 自分にうんざりする

   3 自分を憎んでいる

第8問

   0 自分が他の人より劣っているとは思わない

   1 自分の弱さやあやまちに対し批判的である

   2 自分の欠点をいつも責めている

   3 何か悪いことが起こると,いつも自分のせいだと自らを責める

第9問

   0 自殺を考えるようなことはない

   1 死にたいと思うことはあるが、実行することはないだろう

   2 自殺したいと思う

   3 もし機会があったら自殺するだろう

第10問

   0 いつもより泣きやすくなったとは思わない

   1 以前とくらべ泣いてしまうことが多い

   2 いつも泣いてばかりいる

   3 以前は泣くことができたが,今はそうしたくてもできない

第11問

   0 これまで以上にイライラするようなことはない

   1 以前とくらべイライラすることが少し増えた

   2 かなりの時間、イライラした気分である

   3 たえずイライラしている

第12問

   0 他の人に対する関心を失ってはいない

   1 以前とくらべ他の人に関心を持たなくなった

   2 他の人に対してほとんど関心がなくなった

   3 他の人に対してまったく関心がわかない

第13問

   0 これまでと同じようにものごとを判断できる

   1 以前とくらべ判断を先送りするようになった

   2 なにかにつけて決めることがとても難しい

   3 まったく何も決めることができない

第14問

   0 特に自分の魅力がおとろえたとは思わない

   1 老けて見えるのでないか,魅力がないのではないかと心配である

   2 もう自分の容姿は変わってしまい、魅力がなくなったように感じる

   3 自分は醜いにちがいないと思う

第15問

   0 だいたいこれまでと同じように働ける

   1 何かやり始めるのにかなり努力がいる

   2 何をやるのにも相当な努力がいる

   3 何できなくなってしまった

第16問

   0 いつもどおりよく眠れる

   1 以前とくらべよく眠れない

   2 いつもより1~2時間早く目が覚め,再び寝つくのが難しい

   3 いつもより数時間も早く目が覚め,再び寝つくことができない

第17問

   0 いつもより疲れた感じはない

   1 これまでより疲れやすくなった

   2 何をやってもすぐ疲れる

   3 疲れてしまって何もできない

第18問

   0 いつもどおり食欲はある

   1 以前とくらべ食欲がない

   2 食欲がかなり落ちている

   3 まったく食欲がない

第19問

   0 最近、とくにやせたということはない

   1 最近2kg以上やせた

   2 最近4kg以上やせた

   3 最近6kg以上やせた

第20問

   0 体の調子が特に気になることはない

   1 痛み、胃の不快感、便秘などの体の調子が気になる

   2 体の調子が気になって、他のことを考えるのが難しい

   3 体の調子ばかり心配し,他のことはまったく考えられない

第21問

   0 性に対する関心はこれまでと変わりない

   1 以前とくらべ性欲が低下した

   2 性欲がほとんどない

   3 性欲がまったくない

BDI-Ⅱのカットオフ値と解説

 合計得点が、

 1~10点→ 正常範囲の気分の揺れ

 11~16点→ 軽度の気分の動揺

 17~20点→ うつとの境界域

 21~30点→ 中度のうつ状態

 31~40点→ 重度のうつ状態

 41点以上→ 極度のうつ状態

 カットオフ値を示しましたが、診断や重症度を判定するのは医師が行います。自分で状態の把握をして、21点以上の場合には専門医に相談することをお勧めします。

BDI-2 (PDF)

 PDFファイルを作成しました。ご活用ください。

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