私が仕事に就いた時は国際障害分類(ICIDH)で問題点分析し、それを基に計画書を作成しました。2001年5月、WHOで国際生活機能分類(ICF)が採択されました。その後ICFについての勉強会が開催され、書籍も出回るようになってきました。ICFは多岐にわたってチェックでき、内容としても非常によくできていると思う反面、臨床で活用しようとすると項目の多さから時間も手間もかかり分析にたどり着くまで大変であると感じています。ただ、一度詳細な項目からICFを行ってみる体験が必要と考え、WHOの意向に沿って解説します。
生活機能と障害と健康の統合モデル
生活機能(Functioning)は心身機能(Body Functions)、身体構造(Body Structures)、活動(Activities)、参加(Participation)に分類されます。障害(disability)は機能障害あるいは構造障害を刺します。これにより活動が困難になることを制限(limitations)といい、参加が困難になることを制約(restrictions)と言います。
生活機能は健康状態と関連し、また環境因子と個人因子が双方向で関連しているため、1つの要素が変わると、ほかの1つ以上の要素が影響されることになります。
環境因子は阻害因子と促通因子で作用するためこの点も考慮に入れます。
コードと構造
ICFの分類には、生活機能障害と背景因子の2つの部門があります。またこの2つの部門にそれぞれ2つの構成要素に分かれます。生活機能と障害では心身機能と身体構造、活動と参加。背景因子では環境因子と個人因子に分けられます。個人因子は第1~4レベルの分類はされていません。
カテゴリーはコード化されていて、前に小文字が付与されています。bは心身機能、sは身体構造、dは活動と参加、eは環境因子です。また第1レベルは1桁の数字、第2レベルは3桁の数字、第3レベルは4桁の数字、第4レベルは5桁の数字が小文字の後に振られます。下位のレベルになるにつれてより詳細に分かるようになっています。
ICFの評点はコードごとに問題の程度や状態に一番当てはまる数値を選定します。環境因子ではコードの後に阻害因子となるときはコロン「.」を付けます。「.3」とコロンの後に数字が続き阻害因子の意味です。促通因子となるときはプラス「+」を付けます。
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