TUG Test(Timed Up & Go Test)は歩行と立ち上がり、方向転換、座るといった一連の動作を観察し測定することが可能です。
また動的バランス能力も検査でき、下肢の協調的な筋活動、方向転換の際のバランスや立ち直り反応、下肢の支持力を一度に確認できるためよく行われています。
TUGは肘掛椅子とストップウォッチがあれば測定することができ、場所も3m確保することができれば測定することができて実用性が高いと思われます。
測定の方法
Podsiadlo の文献によると(1)
被検者は肘掛け椅子の背もたれに背を付けた格好をとります。椅子の高さは46cmとします。
被検者は ”Go”の合図で立ち上がり、楽なペースで前進し、3m先の目印ラインのところで方向転換し元の椅子に戻って腰を掛けます。一度練習し、内容を理解しているか確認をします。
一連の動作に要する時間を計測します。
テスト中は介助を与えす自力で行うようにします。普段使用している杖や装具を身に着け普段使っている通りに実施します。手は肘掛けに於いた状態からスタートします。
これは原文の訳ですが原文通りに検査しているとは言い難いと思われます。検査している場面をよく見てみると、肘掛椅子を使用しない、腰が離れたところからストップウォッチを押す、杖なしで歩行する、できるだけ早く行うなど、原文とかけ離れた測定方法で行っていることが多いようです。そうなると、世界中で出された数値のメタアナリシスのカットオフ値が意味を持たなくなると思います。
カットオフ値
高齢者の運動障害がない場合は20秒以内で屋外外出レベル(1)。脳卒中片麻痺患者の院内歩行自立レベル20秒、屋外歩行自立レベル17秒(2)とする文献がります。ただ、心肺能力、筋持久力、認知判断能力など様々な項目で総合的に判定する必要があるためTUGのみで判断はしないほうがいいと思われます。
文献
(1) Podsiadio D,Richardson S:The timed “Up & Go”:atest of basic functional mobility for frail elderly persons.J Am Geriatr Soc 39:142-148,1991.
(2)須藤貴史・他:理学療法効果判定の指標としてのFRT,TUGTの可能性.理学療法ジャーナル35:879-884,2001.
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TUGに必要な物品
肘掛椅子
アイリスのひじ掛け椅子は値段は安めですが、耐荷重120Kg、合成皮革で汚れのふき取りが簡単であり、機能面で優れています。座面の高さは床から42cmです。積み重ねができるので、掃除の際にも重宝しています。ちなみにAmazonのボタンから検索できますが、楽天、Yahooでは製品は検索できませんでした。
ストップウオッチ
時計、ストップウォッチ、アラームと多機能ですが、使いやすいです。大きさはコンパクトで重さもそれほど感じない程度なので常に持ち歩いています。電池交換は自分でできます。私も使用していますが、丈夫で長持ち。時間や日付が表示されるので記録等の確認によく使用しています。
カラーコーン
目印はなんでもいいと思いますが、見栄えが良く回ってくる目標物が説明もしやすくていいと思います。在宅では空き缶など利用しますが、説明しても見えないため通り過ぎることがあったり、足で蹴ってしまい危険なこともありました。ただ10本セットは多すぎるか??
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