近年、アルツハイマー型認知症の早期段階に対する治療として、抗アミロイド抗体薬であるレカネマブ(商品名レケンビ)が使用可能となりました。
この治療は、軽度認知障害(MCI)または軽度認知症の段階で、脳内アミロイドβの蓄積が確認された患者が対象となります。
そのため、CDR(Clinical Dementia Rating)による重症度評価やアミロイドPET検査などを組み合わせて治療適応が判断されます。
まず大きな流れとして、レカネマブ(レケンビ)を使えるかどうかは「早期アルツハイマー病」であることを確認する必要があり、そのために 臨床評価+バイオマーカーの組み合わせで判断されます。
レカネマブ投与判断の基本条件
対象は次の段階とされています。
早期アルツハイマー病(Early AD)
つまり
- MCI due to AD
- 軽度アルツハイマー型認知症
この2つです。
CDRによる重症度判定
重症度の目安としてよく使われるのが CDRです。
| CDR | 状態 |
| 0 | 正常 |
| 0.5 | MCI |
| 1 | 軽度認知症 |
| 2 | 中等度 |
| 3 | 重度 |
レカネマブの臨床試験(CLARITY-AD)では、CDR Global 0.5〜1の患者が対象でした。
つまり
- MCI
- 軽度認知症
が対象となります。
アミロイドβ蓄積の確認
もう一つ必須なのがアミロイド病理の証明です。
方法は2つです。
① アミロイドPET
脳内アミロイド沈着を画像で確認します。
② 髄液検査
- Aβ42低下
- p-tau上昇
日本の実臨床の流れ(概略)
① 認知機能評価
- MMSE
- MoCA-J
- CDR (この検査が必須 0.5~1点が対象者)
↓
② AD疑い
↓
③ アミロイド確認
- PET
または - 髄液
↓
④ 投与適応判断
投与の適応条件
代表的な条件
- MCIまたは軽度認知症
- アミロイドβ陽性
- MRIでARIAリスクが許容範囲
- 重度認知症ではない
製薬会社からの適正ガイドライン
製薬会社(エーザイ・バイオジェン、日本では第一三共も流通関係)は医師向けに
- 適正使用ガイド
- 患者選択
- ARIA管理
- MRIモニタリング
などの適正使用プログラムを提供しています。これは適正使用ガイドラインとして厚労省とも連携しています。
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