リハビリテーションを行ううえで、評価(assessment)は治療や支援の方向性を決めるための重要なプロセスです。
評価というと、関節可動域測定(ROM)や徒手筋力検査(MMT)、歩行検査、バランス検査などを思い浮かべるかもしれません。
しかし、リハビリテーション評価は単に検査・測定を行い、その結果を記録することではありません。
対象者について情報を収集し、必要な検査・測定を行い、得られた情報を統合・分析します。そのうえで、
「何が問題なのか」
「なぜ、その問題が生じているのか」
「本人はどのような生活を送りたいのか」
を考え、目標を設定して具体的なリハビリテーション計画へとつなげていきます。
このページでは、リハビリテーション評価を理解するための基本となる内容を、次の4つに分けて紹介します。
① リハビリテーション評価とは?
リハビリテーション評価の基本
まず最初に、「評価とは何か」を理解しておきましょう
リハビリテーションにおける評価とは、対象者に関する情報を収集し、検査・測定を行い、それらを統合・分析して問題点を明らかにし、目標やリハビリテーション計画につなげていく一連の過程です。
ここでは、「検査・測定」と「評価」の違いについても解説します。
② なぜリハビリテーション評価が必要なのか?
なぜ、リハビリテーションを始める前に評価を行う必要があるのでしょうか。
同じ疾患であっても、症状や障害の程度、生活環境、家族構成、仕事、本人が希望する生活などは一人ひとり異なります。
そのため、疾患名や検査結果だけをもとに、すべての対象者に同じリハビリテーションを行うことはできません。
評価を行うことで、対象者の現在の状態や生活上の問題を把握し、その背景や原因を考え、その人に必要な目標や介入方法を検討することができます。
また、介入後に再評価を行うことで、リハビリテーションの効果を確認し、必要に応じて目標や計画を見直すこともできます。
ここでは、リハビリテーション評価の目的・必要性・重要性について詳しく解説します。
③ リハビリテーション評価の流れ
リハビリテーション評価は、検査を行って終了するものではありません。
基本的には、
情報収集
↓
検査・測定
↓
問題抽出・統合・分析
↓
目標設定
↓
リハビリテーション計画の立案
↓
介入
↓
再評価
という流れで進めます。
さらに、再評価の結果に応じて問題点や目標、リハビリテーション計画を修正します。
評価とは、一方向の作業ではなく、評価と介入を繰り返す継続的な臨床推論の過程と考えることができます。
④ リハビリテーション評価とICF
リハビリテーションでは、筋力や関節可動域などの身体機能だけを評価すればよいわけではありません。
「歩けない」という問題があったとしても、
- 身体機能に問題があるのか
- 日常生活でどのような活動が難しいのか
- 社会生活にどのような影響があるのか
- 生活環境が影響していないか
- 本人は何をしたいと考えているのか
など、対象者を生活全体から捉える必要があります。
そのための重要な考え方の一つが、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)です。
ICFでは、「心身機能・身体構造」、「活動」「参加」に加えて、「環境因子」や「個人因子」さらに健康状態との相互関係から、その人の生活機能を総合的にとらえます。
ICFの考え方を評価に取り入れることで、「身体のどこが悪いのか」だけではなく、「その人の生活に何が起きているのか」という視点から対象者を理解しやすくなります。
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