関節がどのくらい動くか、筋肉がどのくらい力を発揮できるか、動くときに痛みがあるか。ROM・筋力・疼痛の評価は、身体機能の状態を把握するための基本です。
ただし、測定した数値だけで「歩きにくい」「立ち上がれない」といった動作の原因を決めることはできません。たとえば膝が十分に曲がらない場合でも、関節そのものの制限に加え、痛みや筋力低下が動きに影響していることがあります。
このページでは、ROM・筋力・疼痛、それぞれの評価で何を確認するのかを整理します。詳しい測定方法や評価尺度は、各ページから確認してください。
ROM(関節可動域)を評価する
ROM(Range of Motion)は、関節が動く範囲を表します。評価では、どの関節の、どの方向の動きが、どの程度制限されているかを確認します。
本人が動かす自動運動と、検者が動かす他動運動を比べることも大切です。両者の違いや、動かしたときの痛み・抵抗感を合わせて確認すると、制限の背景を考える手がかりになります。
測定値は、立ち上がり、歩行、更衣など、困っている動作と結びつけて解釈します。
筋力を評価する
筋力評価では、目的の動きに必要な力を発揮できるかを確認します。徒手筋力検査(MMT)などで筋力を調べるほか、立ち上がりや歩行といった実際の動作で、どのように力を使えているかも観察します。
力を出しにくい理由を考える際には、疼痛、可動域の制限、姿勢や検査条件にも目を向けます。検査で得た結果と動作の様子を合わせて、何が活動を妨げているのかを整理しましょう。
疼痛を評価する
疼痛は、ROM測定や筋力検査の結果にも影響します。痛みの有無だけでなく、場所、強さ、性質、出現する場面、楽になる条件、生活への影響を確認します。
痛みの強さを共有する方法として、NRSやVASなどがあります。ただし、数値だけで痛みの全体像は分かりません。「寝返りでは痛まないが、立ち上がると痛む」など、具体的な動作とともに記録することが重要です。
3つの結果を合わせて考える
ROM・筋力・疼痛は、互いに影響し合います。たとえば立ち上がりが難しい場合、膝の可動域、下肢の筋力、動作時の痛みをそれぞれ確認したうえで、実際の立ち上がり方を観察します。
「数値が低い項目は何か」だけでなく、「本人が行いたい動作のどこで困っているか」を起点に考えることが、評価結果を目標設定や介入につなげる第一歩です。
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