身体機能の評価
リハビリテーションでは、対象者の状態や動作能力を把握するために、さまざまな身体機能を評価します。
関節の動きや筋力だけでなく、感覚、筋緊張、麻痺、バランス、運動耐容能などを確認し、**「どのような身体機能が動作や生活に影響しているのか」**を考えていくことが大切です。
ここでは、身体機能に関する主な評価領域を紹介します。
ROM・筋力・疼痛
関節の動く範囲や筋力、疼痛の程度などを確認します。
基本的な身体機能を把握し、動作を制限している要因を考えるための重要な評価です。
- 関節可動域(ROM)
- 徒手筋力検査(MMT)
- 疼痛評価
感覚・反射・筋緊張
触覚や痛覚、位置覚などの感覚機能に加えて、反射や筋緊張の状態を確認します。
神経系の障害によって生じる身体機能の変化を把握するために重要な評価です。
- 感覚検査
- 深部腱反射
- 病的反射
- 筋緊張の評価
麻痺・運動失調
脳血管障害や神経疾患などによって生じる麻痺や、運動の協調性について評価します。
随意運動の状態や運動のぎこちなさなどを確認し、運動障害の特徴や程度を把握します。
- Brunnstrom Recovery Stage
- SIAS
- 運動失調の評価
- SARA など
バランス評価
座位や立位で姿勢を保つ能力や、動作中に姿勢を調整する能力について評価します。
転倒リスクの把握だけでなく、立ち上がりや歩行などの動作を考えるうえでも重要な評価です。
- 片脚立位
- Functional Reach Test(FRT)
- Berg Balance Scale(BBS)
- Timed Up & Go Test(TUG)
- SPPB
- BESTest
- CTSIB など
運動耐容能
歩行や運動をどの程度継続できるかを確認します。
運動中の疲労や呼吸・循環反応などを観察し、安全に活動できる範囲や運動負荷を検討するための評価です。
- 6分間歩行試験(6MWT)
- 歩行・運動時のバイタルサイン
- 自覚的運動強度
- 呼吸・循環反応 など
身体形態
身長や体重、四肢の長さ、周径など、身体の形態的な特徴を測定します。
左右差や経時的な変化を確認することで、筋萎縮や浮腫、栄養状態などを考えるための情報にもなります。
- 身長
- 体重
- BMI
- 四肢長
- 周径 など
摂食嚥下
食べ物を口に取り込み、咀嚼し、安全に飲み込むための機能を評価します。
摂食嚥下機能の状態や誤嚥のリスクを把握し、安全な食事方法や支援方法を検討するために重要な評価です。
- 反復唾液嚥下テスト(RSST)
- 改訂水飲みテスト(MWST)
- 食物テスト
- FOIS など
身体機能を総合的に評価する
身体機能は、それぞれが独立しているわけではありません。
たとえば歩行が不安定な場合でも、筋力低下だけでなく、関節可動域、感覚障害、麻痺、運動失調、バランス能力、疼痛、運動耐容能など、複数の要因が関係していることがあります。
そのため、一つの検査結果だけで判断するのではなく、複数の評価結果と実際の動作を関連づけて考えることが重要です。
それぞれの評価方法については、各ページで詳しく解説しています。
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