リハビリの目標設定は、本人が望む生活と、現在の状態を結びつける作業です。
「筋力を上げる」「歩行能力を改善する」という目標も必要ですが、それがどのような生活につながるのかを明確にすることが大切です。
本人の希望、評価結果、生活環境、支援体制を踏まえ、共有できる具体的な目標を立てましょう。
リハビリの目標設定とは?
目標設定とは、リハビリを通じて目指す状態を、本人や関係者と共有することです。
目標は、介入の方向を決めるとともに、経過や成果を確認する基準になります。
機能の改善だけでなく、現在の生活機能の維持、介助負担の軽減、苦痛の軽減、福祉用具を活用した活動の実現なども目標になります。
本人の希望を確認する
まず、本人が何を大切にしているかを確認します。
「歩けるようになりたい」という希望であれば、どこを歩きたいのか、誰と行きたいのか、何をしたいのかまで聞くと、生活に即した目標につながります。
例えば、「自宅のトイレへ行きたい」「家族と買い物に行きたい」「庭の手入れを再開したい」では、必要な動作や支援が異なります。
意思表出が難しい場合は、伝えやすい方法を工夫し、生活歴や家族からの情報も参考にします。本人の希望と家族の希望は、区別して確認することが大切です。
長期目標と短期目標をつなげる
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 長期目標 | 目指す生活や到達状態を示す | 自宅で、日中のトイレへの移動を安全に行う |
| 短期目標 | 長期目標に向けた段階を示す | 病棟で、歩行器を使用し、見守りでトイレまで移動する |
短期・長期の期間に一律の決まりはありません。病状、予測される経過、入院期間、本人の生活予定などに合わせて設定します。
達成したか判断できる目標にする
目標には、必要に応じて次の内容を含めます。
- 何を行うか
- どこで行うか
- どの福祉用具を使うか
- どの程度の介助が必要か
- いつまでを目安にするか
- 何をもって達成と判断するか
例えば、「歩行を改善する」よりも、「2週間後を目安に、病棟の平坦な廊下を歩行器で20m、見守りで歩く」とすると、確認する条件が明確になります。
これは記載例です。距離や期限、介助量は個別の評価に基づいて設定します。
SMARTを整理の参考にする
SMARTは、目標を具体的にするための枠組みです。
| 要素 | 確認すること |
|---|---|
| Specific:具体的 | 何を目指すのか |
| Measurable:測定可能 | 達成をどのように確認するか |
| Achievable:達成可能 | 現状と支援条件から取り組めるか |
| Relevant:関連性がある | 本人の希望や生活につながるか |
| Time-bound:期限がある | いつ確認・見直しをするか |
数値化しやすい項目だけを優先せず、本人にとって意味のある目標になっているかも確認しましょう。
目標を共有し、見直す
設定した目標は、本人、家族、関係職種で共有します。本人の希望と専門職の見通しが異なる場合は、理由を説明し、段階的な目標や別の実現方法を一緒に検討します。
経過、生活環境、本人の希望が変わった場合は、目標を見直します。達成できなかったときも、本人の努力だけに原因を求めず、目標の難しさ、介入内容、環境や支援の条件を確認します。
次の段階へ
目標が決まったら、その達成に向けて、方法や実施条件を具体化する計画立案に進みます。
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