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IQCODEの評価方法と結果の見方|日常生活での認知機能の変化を捉える

 IQCODEは、本人を長く知る家族や友人などが、過去と現在の認知機能を比較する質問票です。本人への課題だけでは捉えにくい、日常生活の変化を確認する情報として活用できます。

 この記事では、IQCODEの版の違い、回答方法、平均得点の計算と結果の見方を解説します。

IQCODEとは

 IQCODEはInformant Questionnaire on Cognitive Decline in the Elderlyの略です。標準的な質問票では10年前と現在を比較するため、長期的に本人を知っている情報提供者が回答します。[1][2]

 本人が直接問題を解く形式ではありません。IQCODEの結果と本人への検査は、異なる情報として組み合わせます。

長版と短縮版

 オーストラリア国立大学の公式ページには日本語版へのリンクがあり、16項目版の用紙では10年前との比較と、合計を16で割る計算方法が示されています。[1][2]

IQCODEの評価方法

1.情報提供者を選ぶ

 本人の以前の状態と現在を比較できる家族や友人などに依頼します。続柄、本人を知っている期間、会う頻度を記録します。

 10年前を知らない人に、推測だけで回答してもらうことは避けます。十分な情報が得られない場合は、その限界を記録し、ほかの情報源を検討します。

2.比較する時点を明確にする

 「10年前」が何年に当たるかを確認します。もともと不得意だった能力が現在も同じなら、「悪化」ではなく「変化なし」と評価します。[2]

 例えば、以前から物の置き場所を覚えることが苦手で、現在も程度が変わらない場合は、現在の苦手さだけで悪化と判断しません。

3.各場面の変化を回答する

 正式な質問票に沿って、記憶や日常生活上の認知的な能力の変化を5段階で回答します。身体の問題、生活環境の変更、役割を行う機会の減少なども聞き取り、認知機能の変化として解釈できるかを検討します。

採点方法

 全項目の得点を合計し、使用版の項目数で割った平均値を算出します。[1][2]

 例:16項目すべてに回答し、合計56点の場合、56÷16=3.50です。これは計算を示す架空の例です。

 欠測や判断できない項目がある場合は、採用版の手順を確認します。独自に3点を代入したり、全項目に回答した場合の基準をそのまま適用したりしないようにします。

結果の見方

 平均3点は「全体として変化なし」、3点を超える場合は悪化側に評価されていることを意味します。ただし、平均値だけでは、どの能力が変化したかはわかりません。[1]

カットオフは版と資料を確認する

 公式ページでは、感度と特異度のバランスをとる境界として、長版3.27/3.30、短縮版3.31/3.38が紹介されています。[1] これらは境界を挟む得点の表示で、日本語版やすべての臨床集団に共通する確定診断の値ではありません。

 本記事では、日本語版に一律のカットオフを設定しません。使用版に対応した検証研究や施設の評価手順に照らして判断します。IQCODEだけで認知症の診断や重症度を確定することはできません。

リハビリテーションでの活用

 実務上は、平均値よりも生活の具体的な変化が重要になる場合があります。新しいことを覚えにくくなった、金銭の扱いで困るようになったなどの情報があれば、その場面を確認し、練習や支援を検討します。

 身体能力の低下によって外出をしなくなった場合と、道順の把握が難しくなって外出できなくなった場合を区別すると、必要な支援を考えやすくなります。

記録例

 記録例:J-IQCODE 16を使用。平均3.50点、全項目回答。同居家族が回答し、10年前と比較。新しい操作の習得などに変化を報告。本人の認知機能検査と生活機能評価を追加する。

評価時の注意点

 長期間の記憶に基づく回答には、記憶の曖昧さや現在の介護状況の影響が入り得ます。再評価では同じ情報提供者か、接触状況が変わっていないかを確認します。短期間の変化を調べたいときは、10年前との比較という尺度の設計を踏まえ、別の観察情報も用います。

まとめ

 IQCODEは、その人自身の以前の状態からの変化を評価します。使用版、回答者、比較時点、平均得点と項目ごとの変化を記録し、本人の検査や生活場面の観察と合わせましょう。

参考資料

[1] Australian National University.IQCODE公式情報・採点方法・各言語版.https://nceph.anu.edu.au/research/tools-resources/informant-questionnaire-cognitive-decline-elderly

[2] 日本版16項目IQCODE(公式ページ掲載).https://nceph.anu.edu.au/sites/prod.nceph.sca-lws06.anu.edu.au/files/japaneseversion.pdf

 資料確認日:2026年10月9日。

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