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時計描画検査(CDT)の評価方法と結果の見方|採点方法と注意点

 時計描画検査は、時計の数字や針を描く課題を通して、認知機能を確認する検査です。紙と筆記具で行えますが、採点方法は一つではありません。

 結果を正しく共有するには、「何点だったか」に加えて「どの手順・採点方式を使ったか」が必要です。この記事では、実施の基本、採点方式の違い、描画から観察できる点を解説します。

時計描画検査とは

 CDTはClock Drawing Testの略です。課題には、指示の理解、時計に関する知識、空間への数字の配置、描画の計画などが関わります。これらを一つの課題で観察できますが、誤りがあるだけで特定の認知機能障害や病型を診断することはできません。[1]

実施方式を先に決める

 各方式では要求される能力が異なります。同じ検査として得点を直接比較せず、使用した手順を記録します。[1]

時計描画検査の評価方法

1.準備する

 採用する採点方式の原資料、評価用紙、筆記具を用意します。視力、眼鏡、利き手、麻痺、振戦、痛み、アナログ時計へのなじみなどを確認します。

2.規定された教示を行う

 手順に沿って輪郭や数字、指定した時刻を表す針を描いてもらいます。指定時刻は方式によって異なります。Mini-Cogの時計描画では11時10分を使用しますが、独立したCDTに一律に適用するものではありません。[2]

 描画中に数字の間隔を整えてあげたり、針の正解を指さしたりしないようにします。再教示、模写などを追加した場合は、標準課題とは区別して記録します。

3.完成図と描画過程を記録する

 完成した時計を保存し、描き始めた位置、数字を入れた順序、修正、途中の停止などを記録します。描画過程は支援の検討に役立ちますが、採用した尺度で規定されていない観察を勝手に得点化しないようにします。

採点方法

 CDTには、Shulman法、Sunderland法、Rouleau法など複数の採点体系があります。時計全体を段階的に評価する方式と、輪郭・数字・針などを分けて採点する方式があります。[1]

 段階数や得点の向きは、採点方式やその改訂版によって異なることがあります。原資料の基準を確認し、方式名と版を明記してください。[1][2]

結果の見方

 CDT全体に共通する「何点以下なら認知症」という基準はありません。採用した採点方式と対象集団に対応する基準を用います。

 次の表は、得点基準ではなく、追加観察のための整理です。

 数字が一方に偏った場合も、それだけで半側空間無視と判断しません。視野や空間認知などを別に評価し、生活動作で同様の偏りがあるか確認します。

リハビリテーションでの活用

 実務上の例として、時計上の配置が乱れている場合は、洗面用品の探索や衣服の向きを確認します。順序を組み立てにくそうな場合は、更衣や食事の準備でどこに声かけが必要か観察します。

 CDTの結果から支援を決めつけず、配置を見やすくする、工程を一つずつ示すなどの工夫を実際の動作で試します。

記録例

 記録例:CDTを白紙への自由描画で実施。使用方式・指定時刻・得点は採用した評価票に記録。数字の配置が右側に偏り、途中で修正あり。描画を保存。視野と空間への注意、生活場面での探索を追加確認する。

 得点を記載する場合は「CDT 〇点」だけでなく、採点方式名を必ず添えます。

評価時の注意点

 描画には運動機能も必要です。麻痺や振戦による線の乱れを、認知機能の障害としてそのまま扱わないようにします。再評価は同じ方式・教示で行い、描画条件もそろえて比較します。

まとめ

 時計描画検査は、採点方式を明記して使うことが基本です。完成図、描画過程、実施条件を残し、生活動作の観察やほかの認知機能評価と合わせて解釈しましょう。

参考資料

[1] Spenciere B, et al. Scoring systems for the Clock Drawing Test: A historical review. Dement Neuropsychol. 2017;11:6–14. https://www.scielo.br/j/dn/a/tcRrwtjNCRjsJtdPgbTzGZD/?lang=en

[2] Mini-Cog公式.Scoring the Mini-Cog.https://mini-cog.com/scoring-the-mini-cog/

 資料確認日:2026年10月9日。

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