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AD8の評価方法と結果の見方|身近な人から認知機能の変化を確認する

 診察やリハビリテーションの場で会話ができていても、自宅では服薬や予定の管理に困っている場合があります。AD8は、本人をよく知る人から、以前と比べた認知機能や生活の変化を聞き取るためのスクリーニング尺度です。

 この記事では、AD8の回答方法、採点、結果を読むときの注意点を解説します。

AD8とは

 AD8は8項目の質問で構成され、以前の状態から認知に関わる変化が生じているかを確認します。対象者をよく知る情報提供者への実施が望ましく、情報提供者がいない場合は本人への実施も示されています。[1]

 本人回答と家族回答は情報の性質が異なります。誰が回答したかを明記し、同じ条件の結果として無条件に比較しないようにします。

どのような変化を確認するか

 質問には、判断、興味・活動、同じ内容の繰り返し、新しい機器の使用、時間の把握、金銭管理、予定、日常的な思考・記憶の問題が含まれます。[1]

 重要なのは、「今できるか」だけではなく、「その人の以前の状態から変化したか」です。もともと家計管理を担当していなかった人を、それだけで認知機能が低下したと評価しないようにします。

AD8の評価方法

1.回答者を確認する

 本人の日常生活を知る家族や介護者などに依頼します。続柄、同居・別居、会う頻度などを記録します。診察日に初めて付き添った人だけでは、十分な変化を把握できない場合があります。

2.正式な質問票で聞き取る

 採用する正式な言語版を使用し、質問を省略せずに確認します。情報提供者への実施では、認知の問題による変化と身体の問題による制約を区別します。公式ガイドは、一律の固定期間を必須としていません。「必ず過去1年だけ」と独自に限定しないようにします。[1]

3.回答と具体例を記録する

 回答は「変化あり」「変化なし」「わからない・該当なし」に相当する選択肢で整理します。[1] あわせて、いつ頃から、どの場面で、どのような変化があったかを確認すると、支援を考える情報になります。

 具体例の聞き取りは、回答者を「変化あり」に誘導しないように行います。

採点方法

 「変化あり」に該当する項目を数え、0~8点で表します。高得点ほど、変化が報告された項目が多いことを意味します。[1]

 不明な回答が多い場合、低得点であっても十分に状態を確認できたとは限りません。回答の内訳を記録します。

結果の見方

 AD8は認知症の診断を確定する検査ではありません。公式ガイドでも、得点が低くてもほかに障害を示す情報がある場合は、詳しい評価を検討するとされています。[1]

 また、AD8の得点をそのまま認知症の軽度・中等度・重度へ置き換えることはできません。

リハビリテーションでの活用

 実務上の例として、予定を守れなくなったという情報があれば、訓練予定の確認方法を観察します。新しい操作に困るという情報があれば、福祉用具の操作を覚えられるか、繰り返しや視覚的な手順が役立つかを確かめます。

 本人の検査成績が良好でも生活の変化が報告される場合は、そのずれを情報として残します。本人への認知機能検査と、生活場面の評価を組み合わせて検討します。

記録例

 架空の記録例:AD8 3/8点。同居の配偶者が回答。予定の把握などで以前からの変化を報告。開始時期と具体的な生活上の支障を確認し、本人の認知機能評価と服薬・予定管理の観察を追加する。

評価時の注意点

 家族と本人の認識が異なる場合は、一方をすぐに否定せず、具体例を確認します。介護負担や接触頻度による情報の違いも考慮します。急な変化がある場合は、体調や薬剤、せん妄などを含めて医療チームに共有します。

 質問票の独自翻訳・改変・転載・販売は、権利者の利用条件を確認してください。[1]

まとめ

 AD8では、以前と比べた変化と、その変化を知る回答者の情報が重要です。得点、回答の内訳、具体的な生活エピソードを残し、必要な追加評価と支援につなげましょう。

参考資料

[1] Washington University由来のAD8評価票・実施採点ガイド(Alzheimer’s Association掲載).https://www.alz.org/getmedia/6e7291bf-4ac8-40ed-a148-824d4591ed7e/ad8-dementia-screening.pdf

 資料確認日:2026年10月9日。

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