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痛みの分類|急性痛・慢性痛と3つの発生機序をわかりやすく解説

 痛みには、けがをした直後に生じる痛み、長期間続く痛み、神経の障害によって生じる痛みなど、さまざまなものがあります。

 痛みを理解するには、「どのくらい続いているか」と「どのような仕組みで生じているか」を分けて考えることが大切です。

 このページでは、痛みの分類の全体像を整理し、それぞれの詳しい解説につなげます。

痛みの分類は、まず2つの視点で整理する

 本サイトでは、痛みを理解する入り口として、次の2つの視点で整理します。

 これらは、同じ基準で並べた分類ではありません。例えば「慢性痛」という期間の情報に、「神経障害性疼痛」という仕組みの情報を組み合わせて整理できます。

 また、複数の仕組みが重なる場合もあります。以下では、そのような痛みを理解するために「混合性疼痛」も取り上げます。

期間・経過による分類|急性痛と慢性痛

急性痛

 急性痛は、けがや手術などに伴って生じる、比較的短い経過の痛みです。身体に生じた損傷や危険を知らせ、患部を保護する役割があります。

 評価では、発症からの日数に加え、原因となった病態や組織の回復過程を確認します。

慢性痛

 慢性痛は、一般に3か月を超えて持続する、または繰り返す痛みと定義されます。痛みそのものに加え、睡眠、気分、日常生活、社会参加への影響も捉える必要があります。

 「慢性痛」という言葉は、痛みの仕組みを一つに決めるものではありません。長く続いている場合でも、炎症や組織の問題、神経の障害などを確認することが大切です。

発生機序による分類|痛みが生じる3つの仕組み

侵害受容性疼痛とは

 侵害受容性疼痛は、神経以外の組織に実際の損傷や損傷の危険があり、それを感知する「侵害受容器」が活性化して生じる痛みです。

 けがや炎症に伴う痛みなどが該当します。

神経障害性疼痛とは

 神経障害性疼痛は、体性感覚神経系の病変や疾患によって生じる痛みです。末梢神経だけでなく、脊髄や脳の病変に伴って生じる場合もあります。

 帯状疱疹後神経痛や、有痛性糖尿病性多発神経障害などが代表例です。評価では、原因となる病変・疾患と、痛みの分布や感覚所見の関係を確認します。「しびれる」「電気が走る」といった表現だけでは確定できません。

痛覚変調性疼痛とは

 痛覚変調性疼痛は、痛みを説明する明らかな組織損傷や体性感覚神経系の病変・疾患の証拠がないにもかかわらず、侵害受容の変調によって生じる痛みです。ここでいう変調とは、痛みにつながる刺激の処理の仕方が変化することを指します。

 ただし、「画像検査で異常がない」という理由だけで判断することはできません。筋骨格系の臨床基準では、痛みの期間や広がり、痛覚過敏の所見なども確認します。

複数の仕組みが重なる痛み|混合性疼痛

 実際の痛みは、一つの仕組みだけで説明できるとは限りません。

 「混合性疼痛」は、従来、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛が併存する状態を指して用いられてきた言葉です。例えば、帯状疱疹では、皮膚の炎症に伴う痛みと神経の障害に伴う痛みが重なる場合があります。

 さらに、侵害受容性疼痛に痛覚変調性疼痛の要素が併存する場合もあります。混合性疼痛を独立した「第4の仕組み」と考えるより、どの仕組みが、どのように重なっているかを整理することが大切です。

リハビリテーションで痛みの分類をどう役立てるか

 痛みの分類は、評価で確認した情報を整理し、対応を検討するための手がかりになります。

 臨床では、次の情報を組み合わせて捉えます。

  • 経過: いつ始まり、持続・反復・変化しているか
  • 部位と広がり: どこが痛み、どこまで広がっているか
  • 誘発・軽減条件: 動作、姿勢、負荷、休息でどう変化するか
  • 関連所見: 炎症所見、感覚障害、筋力低下などがあるか
  • 生活への影響: 睡眠、活動、仕事、社会参加がどう変化したか

 記録では、判断の根拠となる所見と、まだ確認できていない点を併記すると、他職種とも情報を共有しやすくなります。

痛みの分類を詳しく学ぶ

 知りたい内容に合わせて、次の記事をご覧ください。

  • 急性痛と慢性痛の違い:期間・経過から痛みを整理する
  • 侵害受容性疼痛とは:組織の損傷や炎症に伴う痛みを学ぶ
  • 神経障害性疼痛とは:神経の病変や疾患に伴う痛みを学ぶ
  • 混合性疼痛とは:複数の仕組みが重なる状態を学ぶ
  • 痛覚変調性疼痛とは:侵害受容の変調による痛みを学ぶ

 痛みが伝わる経路や、痛みを強めたり抑えたりする仕組みについては、「痛みの生理学」で解説します。

→ 痛みの生理学へ
→ 痛みの基礎知識に戻る

参考資料

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