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STREAMとは?脳卒中の運動機能・基本動作の評価方法と採点・結果の見方

STREAMとは

 STREAM(Stroke Rehabilitation Assessment of Movement)は、脳卒中後の上肢・下肢の随意運動と基本動作能力を評価する尺度です。

 麻痺側の手足をどの程度動かせるかに加えて、寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行などを確認します。運動機能と移動能力の両方を把握できることが特徴です。pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 原版は30項目で構成され、評価時間はおおむね15分が目安です。短縮版もありますが、本記事では原版のSTREAM-30を解説します。APTA

STREAMで評価する内容

 STREAMは、次の3領域を評価します。

 各領域の素点を足すと70点満点になります。点数が高いほど、評価課題における運動機能・基本動作能力が良好であることを示します。medicaljournals.se

上肢の随意運動

 肩甲帯・肩・肘・前腕・手指の動きを確認します。

 代表的な課題には、腕を挙げる、手を頭に運ぶ、前腕を回す、手を握る・開くなどがあります。

下肢の随意運動

 臥位・座位・立位で、股関節・膝関節・足関節の動きを確認します。

 代表的な課題には、股関節や膝関節を曲げる、座位で膝を伸ばす、足関節を背屈するなどがあります。

基本動作・移動

 寝返り、ブリッジ、起き上がり、立ち上がり、立位保持、ステップ、歩行、階段下降などを確認します。

 上肢・下肢の運動だけでなく、身体を使って姿勢を変え、移動できるかを評価します。以上は課題の概要であり、実施肢位や達成条件は原版の評価用紙・実施要領で確認します。medicaljournals.se

STREAMの採点方法

上肢・下肢は0~2点で評価する

 上肢・下肢の随意運動は、3段階で採点します。

 この表は採点の大枠です。実際には、動く範囲や運動の質など、原版に定められた条件を確認して判断します。「少し動いたから1点」「目的位置まで届いたから2点」と、独自の基準で採点しないことが大切です。medicaljournals.se

基本動作・移動は0~3点で評価する

 基本動作・移動は、運動の達成度に加えて、補助具などの支持を必要とするかを区別する4段階評価です。

 「0点は全介助、1点は一部介助、2点は見守り、3点は自立」というADLの介助量評価には置き換えられません。

 各課題の達成条件と、認められる支持・補助の扱いに沿って採点します。medicaljournals.se

得点の集計方法

素点と換算得点を区別する

 STREAMでは、素点のほかに、各領域を百分率に換算し、その平均を総合得点とする方法があります。すべての項目を評価できた場合は、次のように計算します。

 例えば、上肢10点、下肢16点、基本動作・移動18点の場合は、次のようになります。

  • 上肢:50%
  • 下肢:80%
  • 基本動作・移動:60%
  • 総合得点:約63.3点/100点

 素点の合計は44点/70点ですが、44÷70×100で求めた値は、3領域を均等に扱う総合得点とは異なります。

 記録や論文を読むときは、70点満点の素点か、100点満点の換算得点かを確認しましょう。neuropt.org

評価できなかった項目を0点にしない

 疼痛や関節可動域制限などの理由で評価できなかった場合と、運動障害によって課題ができなかった場合は区別します。

 評価不能項目があるときは、その理由を記録し、実施要領に沿って得点を換算します。未実施の項目を一律に0点として集計すると、能力を過小評価する可能性があります。pmc.ncbi.nlm.nih.gov

結果の見方

合計点だけでなく、3領域の違いを見る

 STREAMは、上肢・下肢・基本動作の得点を分けて読むことが大切です。

 例えば、次のように臨床所見と結び付けて整理できます。

 これらは結果を解釈するための視点であり、得点の組み合わせだけで原因を断定するものではありません。

点数の変化と動作の変化を一緒に記録する

 経過を追うときは、「何点上がったか」に加えて、実際に何が変わったかを記録します。

 例えば、「基本動作の得点が上昇した」だけでなく、起き上がり時の支持が減った、立位保持が安定したなどの観察を添えると、介入の効果を共有しやすくなります。

 また、補助具・装具・身体介助・疼痛・疲労などの条件が変わった場合は、得点とともに残します。

評価時の注意点

指示理解の影響を確認する

 STREAMでは、指定された動きを理解して実行する必要があります。

 失語症や認知機能障害などにより指示が伝わりにくい場合、運動能力があっても課題を遂行できないことがあります。動作ができなかった理由を、麻痺だけに結び付けないようにします。APTA

安全性を優先する

 立位・歩行・階段課題では、転倒や膝折れに注意します。

 評価前に全身状態と活動上の制限を確認し、安全に実施できない課題は無理に行わず、その理由を記録します。

床効果・天井効果がある

 重度の運動障害では低得点に集中する床効果、能力が高い場合には満点付近に集中する天井効果が生じることがあります。

 特に歩行可能な人では、STREAMだけでは細かな改善を捉えにくい場合があります。目的に応じて、歩行速度やバランス、上肢機能などの評価を追加します。APTA

STREAMの信頼性・妥当性

 STREAMには、信頼性・妥当性を支持する研究があります。

 Wangらの脳卒中患者54名を対象とした研究では、総得点の検者間信頼性はICC=0.96でした。また、Fugl-Meyer AssessmentやBarthel Indexとの関連が報告されています。

 ただし、評価者が実施方法を理解し、採点基準を共有することが前提です。信頼性が高い尺度でも、独自の方法で実施すると結果の比較が難しくなります。medicaljournals.se

短縮版のS-STREAMとの違い

 S-STREAM(Simplified STREAM)は、原版の実施効率を高めるために開発された15項目版です。上肢・下肢・基本動作の各領域5項目で構成されます。

 S-STREAMではRaschモデルによる得点換算が用いられます。原版と短縮版では、項目数や得点の扱いが異なるため、結果を混同しないことが大切です。 記録には、使用した版を明記します。HTML

臨床での活用

 STREAMは、脳卒中後の手足の随意運動と基本動作を、共通の枠組みで経時的に把握する際に役立ちます。

 臨床では、次の流れで活用すると結果を介入につなげやすくなります。

  1. 上肢・下肢・基本動作の得点を確認する。
  2. 難しかった課題と、その際の動作を整理する。
  3. 疼痛、感覚、バランス、認知機能などを追加評価する。
  4. 日常生活で困っている動作と結び付けて目標を設定する。
  5. 同じ版・できるだけ同じ条件で再評価する。

 STREAMの得点に、動作観察や本人の生活上の目標を重ねることで、評価結果を具体的なリハビリテーション計画に生かせます。

参考文献

  1. Daley K, Mayo N, Wood-Dauphinée S. Reliability of Scores on the Stroke Rehabilitation Assessment of Movement (STREAM) Measure. Physical Therapy. 1999;79(1):8–23.
    DOI:10.1093/ptj/79.1.8
  2. Wang CH, Hsieh CL, Dai MH, Chen CH, Lai YF. Inter-rater reliability and validity of the stroke rehabilitation assessment of movement (STREAM) instrument. Journal of Rehabilitation Medicine. 2002;34(1):20–24.
    DOI:10.1080/165019702317242668
  3. Hsueh IP, et al. A simplified stroke rehabilitation assessment of movement instrument. Physical Therapy. 2006;86(7):936–943.
    PubMed

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